『「はっけよい・・・残った!」軍配が返った。大ちゃんは頭から突っ込んでいった。』続き気になるなら読んでみよう。

 タイトルは、6年予習シリーズ上第11回国語の文章『ヨコヅナ大ちゃん』最終行の文です。
 
 大ちゃんは、大好きな亜矢ちゃんが「太っている人は嫌い」と言っているのを耳にしてしまいます。少年相撲大会に出場予定だった大ちゃんは、そのことがきっかけで出場を取りやめますが、代わりに出た藤田くんがけがをしてしまいます。藤田くんのことが好きな亜矢ちゃんは、大ちゃんに出場を懇願します。大ちゃんは圧倒的な強さで決勝戦まで進みます。決勝の相手は藤田くんにけがを負わせた高見くん。さあ、勝負!
 
 どうですか。大人でも続きが気になりませんか?小学生の国語のテキストの文章には、このようにもっと読んでみたいと思わせるものが少なくありません。
 
 国語の文章問題を解くときは、感情移入してはいけないといわれます。客観的に文章を読み、本文に書いてあることから考えられることを探したり考えたりしなければなりません。
 
 そこには、「私なら、こう思う」「僕は、こんなことしない」といった読書をするときの楽しさを排除しなければなりません。でも口には出さなくとも、前述のような感情が湧いてくることを誰も止めることはできません。
 
 そうすると、「先生、この続きが知りたい!」となるのは人情でしょう。1週間に3つの文章を読むので、そのなかで国語という教科が出来るようになるということとは無関係に、シンプルにただただ「読みたい」という気持ちが出てくるのは当然です。
 
 そんなときは、休憩時間にスマホで探し出し、できるだけ購入するようにしています。子供の熱が冷めないうちにその本を読ませてあげようと考えています。
 
 「さっきの本、〇日に届くよ」と伝えますが、「絶対読んでおくように」とは言いません。その文章を面白いと思う子がいるということは、その子が読まなくてもいつかまた誰かがその問題を解いたときに読みたいと思うでしょう。
 
 購入した本は背表紙だけが見える本棚に入れておくのではなく、このように表紙が見えるように置いています。
 
 
 
 子供が興味を持つのは物語だけではありません。4年生のテキストに「話しことばのひみつ」という本の文章がありました。人は、相手の話が、自分も詳しく知っている分野の話だったり、自分なりに勉強している分野の話である場合、理解するスピードのほうが話すスピードより速いため、時間に余裕ができ、話の内容とは無関係なことを考えてしまいがちであるという内容です。
 
 「こういうこと、思い当たるだろ。」というと、「確かに!この本のほかの部分も読んでみたい!」と言った子がいました。おしゃべりな4年生です。なるほど自分に当てはまるとその子は思ったのでしょう。購入して到着後、すぐに読んでいました。
 
 ただ漠然と「本を読め」と言っても何を読んでいいか分かりませんし、興味のない本を強制させられても嫌になるだけです。読みたいと思うものがあったときに、読んでくれればいい、そしてできるだけその機会を作ってあげたいと思っています。